ショーシャンクの空に

otherside

すごく有名な映画で、内容としては、冤罪によって投獄された有能な銀行員が、刑務所内の人間関係を通して、腐敗した刑務所の中でも希望を捨てず生き抜いていくヒューマンドラマ。
細かくみると、いろいろ意味もあるようでとても興味深い映画で、個人的にはビールのシーンが最後の晩餐、フィガロの結婚が聖杯などの演出が好きで、後味すっきりでおすすめの映画のひとつです。

今回観てて、感じた別の視点として、

精神科の病院と重なる部分

精神科の長期入院の患者さん、若い頃にはなかなかの暴れん坊で、措置入院や医療保護など 強制入院がきっかけになっている方
もちろん退院する人の方が多いし、逆に人格水準の低下などで社会生活が難しい方もいますが

中には日常生活自体は比較的できていて、話せば穏やかで、幻聴など幻覚はあっても退院して社会で生活出来るんじゃないかな、と感じる方もいます。

退院を促す意味で外でこんなことやあんなこと、みたいな話をして、または他の方法で退院支援に繋げないかを模索しますが、それこそ40年以上入院している方の例で、この方は今は一見穏やかな初老のおじいちゃんなので、なんとか退院して外での生活に持っていけないかと画策しましたが、当初は前向きに話をしてくれていましたが、「外に出るのが怖い」「何もわからない」と窓の外を眺めながら、穏やかな口調で話されました。

病気とはいえ長期の強制入院をさせられた結果、また経過から家族などとも疎遠になっていることも多く、そうなると病院が世界であり、退院するのが怖い、という感情は仮釈放を恐れる感情と重なるものを感じます。

考えさせられることがいっぱいあり、すーっと世界に入り、気づいたら観終えていて、後味も悪くない本作、この記事を目にしたあなた、ひさびさに観てみてはどうでしょう。