産後うつ
周産期メンタルヘルスの中で、最も頻度の多そうな『産後うつ』について、今回は取り上げようと思います。
産後うつって聞いたことあるけど、、、
「わたし産後うつかも・・・」って思っても、
本心としては、病気としての『産後うつ』な訳がない、精神科にかかるほどではない、と思われる方がほとんどではないでしょうか。
産後うつ、についてなるべく簡単に説明します。
① 産後うつって? ② 私も産後うつ? ③ どうすれば良い?
①産後うつって?
お産後、抑うつ症状が2週間以上続く状態のことを、産後うつ、と言います。
抑うつ症状にはいらいらや不眠、そのほか様々なものが含まれますが、要は上記です。
それに対して、
赤ちゃんが家に来て、子育てが始まって、夜泣きもあって生活リズムが変わって、初めての子供なら尚更・・・当たり前のこと、と思われる方も多いのではないでしょうか。
そして実際多くの周りの家族もそのように思うのではないでしょうか。
そのようの状態を放置した結果が、周産期メンタルヘルスの重要性 につながります。
これはアメリカでのポスターですが、
5人に1人は産後うつ 治療を受けているのは15%未満 貧困がある場合、50%以上
とかなりの頻度であるにも関わらず、治療につながっていないことがわかります。
精神科、メンタルクリニックへの通院が日本よりありふれている米国でのデータですが、ということは日本でも実際はこの程度の潜在的な産後うつの女性がいると思われますし、米国よりはるかに精神科受診のハードルが高い日本においては、より重症化している方が多くいることが予想されます。
産婦人科医会が出されていた表を添付します。
厚生労働省のホームページにあった表も添付します
そのほかネット上に落ちていた表です。
なんだか色々書かれていますが、分かりやすいような分かりにくいような。
すごく簡単に考えると、以下の表のようにホルモンが一気に低下するため、産後に精神の不調をきたす、という理解でいいような気がします。
お産後、女性の身体は血行動態含め大きく変わりますが、ホルモンの変化もすごく大きく、それがメンタルに大きく影響し、あわせて生活も一変するため、抑うつ状態になりやすいと思われます。
② 私も産後うつ??
泣いてしまう。睡眠の不調。赤ちゃんへの愛着の問題。 なんかぼーっとする。イライラする。食欲の変化。
他にも様々な症状が挙げられます。様々なサイトに色々書かれています。
気分が落ちている
面白くない。
これらが続く場合は、産後うつの可能性があります。
③ どうすれば良い??
先程あげたような症状が1ヶ月検診の時にもあれば、助産師さんに話してください。 産科の検診終了後であれば、保健師さん、または役所のこども課などに相談してみて下さい。 住んでいる市町村のサイトみればきっと見つかります。 ネットがなければ役所に直接行っても全然問題ありません。
家族に相談することで気分が晴れるなら全然構いませんが、公共の相談できるところを、是非、利用して下さい。
ご自身だけで抱え込むことだけは、やめましょう。
産後うつは治ります。
もともとうつ病の素因があった場合は、慢性的になる可能性もあります。 ですが早めに対応することで、治せる可能性はグッとあがります。 そして、家族、それも特にその赤ちゃんにとっても、非常に大きな意味があります。 お母さんの精神状態は、子供の発達に影響します。
赤ちゃんのためにも、誰かに頼りましょう。
まとめ
産後うつはいっぱいいます。 ホルモンの影響です。 今の日本の多くの家庭の経済状況や家族構成から、仕方ないです。 頼れる資源は活用して、必要あれば抗うつ薬も全然構いません。 産後うつが治れば、しばらく飲んで終了できます、薬漬けにはなりません。 子供の精神発達のためにも大切です。
