はじめまして
私は15年以上外科系医師として大学や公立病院で急性期医療に従事してきましたが、メンタル不調により辞めて、今は医師としてはだいぶゆったり働いています。
急性期、そして手術を離れたことで余裕がうまれ、今はメンタルも改善し、以前よりはるかに健康的な生活が出来ています。
振り返って一番感じるのは、以前は余裕があると感じていましたが、とはいえ相当無理をしていたということです。
そしてそれ以上に、家族へも大きな負担をかけていたと感じます。
グループ制という名の主治医コール
学術活動のための自己研鑽という名の休日出勤
他にも数多くありますが、
これらは私自身の時間だけでなく、家族全員に同様の拘束を強いていました。

医師だから仕方ないと考えていましたが、まる一日フリーになる日が月に1-2回の状況で月の手取りが大学病院だと20万円をきることもあり、もちろんバイトにいきますが、それでも大学外の病院程はもらえない状況です。
もちろん診療科、地域、病院により様々ですが、日本の急性期病院の医師の給与は世界的にみて、また医療費の観点からも安すぎると感じます。
あまりに忙しく、責任も重く、急性期の現場は余裕のなくなった医療者が多くいます。
かれらかのじょらは、平然と程度の差はあれパワハラ、モラハラをするため、余程強くない限りドロップアウトを強いられますし、そうでない多くの場合も、相当なストレスを強いられます。
忙しすぎると考える余裕がないため働き続けます。
みながそれが当然と思い働き続けます。
医療者は責任感が強く、努力し続けてきた人が多く、全然アウトな状況が持続します。
医師は給与は高めであるといわれますが、学会、本、その他日常生活で浪費もするため、実際はそれほど貯蓄のない方もいると思います。
金銭的な余裕がなければ、全然アウトな状況でもがんばって働き続けます。
典型的なブラック企業と同じ状況です
ブラック企業を終わらせるためには、ブラック企業で働く人がいなくなるしかありません。
労働時間、内容、給与、それらを大幅に改善する必要があります。
今は急性期にいないため実態はわかりませんが、見聞きしたところで、大学病院などだとバイトにいけない、や自己研鑽の増加など、明らかな改悪もあるようです。
医師個人の話だけではありません。
子どもにも多大な影響があります。
基本的に急性期医療をまわしているような医師は比較的優秀な部類に入ると思います。
そのような人は、優秀な子供を教育できる素質があるはずですが、奴隷労働をしていると子供に関わる時間、内容が明らかに悪くなります。
そしてより不幸な場合は、子供の成長発達に影響することもあります。
愛着の問題、自己肯定感がない、などは将来の精神疾患に関連してきます。
そしてその子になんらかの精神的な悪い影響が生じると、それは代々次の世代に影響していく可能性があります。

ワーカーホリックで好きで好きでたまらない場合はいいですが、今ご自身の働き方に疑問を感じている医師の方、働き方を少し考える良い時期かもしれません。
医局やめても、特に問題はありません。
本人に善意があり、これまで頑張ってきた医師であれば、大丈夫です。
ご自身や家族の調子が崩れる方がはるかに問題です。
論文書きたいなら、その費用のサポートなどを相談できる病院に勤めれば良いです。
これまで医局に言われるまま異動してきた場合、転職活動は面白いと感じるはずです。
転職に際して、医師転職サービスなどは利用すべきです。
相場がわかりますし、良いところを見つけてくれるかもしれません。
直接の方が中抜きがない分、病院にとっては良いと思いますが、他の選択肢の可能性を模索する上でも、医師転職サービスは是非利用することをお勧めします。
今の日本の医療は崩壊していると感じます。
急性期医療の医師の奴隷労働で成り立っています。
医師個人の人生、家族の人生を、真剣に考えるべきです。
一生医師として頑張り続けないといけないわけではありません。
人生を楽しく、健康に、生きていきましょう。