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エビリファイ 

medical

エビリファイについて

一般名 Aripiprazole
薬効分類 第二世代抗精神病薬(非定型)

FDA基準 C
Hale分類 L3

エビリファイはドパミンの量を適切に調整してくれる作用のため、DSS(ドパミン・システム・スタビライザー)と呼ばれる

ドパミンが過剰だと働きを抑え不足している場合は補ってくれる!!

この作用のため、初めは統合失調症のクスリとして開発。
この他、低用量では気分を持ち上げ高用量では気分を抑える効果が期待。
また、気分の波を小さくして、気分や感情を安定させる効果も。

適応

1 統合失調症(2006年)
2 双極性障害の躁状態(2012年)
3 抗うつ薬で効果不十分なうつ病・うつ状態(2013年)
4 小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性(2016年)

日本で発売されているDSSは1剤

エビリファイ(一般名:アリピプラゾール):2006年発売

似たお薬で、アリピプラゾールのセロトニン作用を強めたserotonin-dopamine activity modulator(SDAM)と呼ばれる薬もある

レキサルティ(一般名:ブレクスピプラゾール)

エビリファイの作用

ドパミン部分作動薬として働き、ドパミンを適度な量に調整
ドパミンが過剰になって生じる幻聴や妄想を改善
ドパミンをブロックしすぎないため、副作用が軽減
+ セロトニンへの作用とあわせて、気分安定薬としても働く

・抗躁効果:やや強い
・抗うつ効果:やや弱い
・再発予防効果:中程度

衝動性のコントロールに使用されることも
副作用が少なめなため、子供や高齢者にも使いやすい

統合失調症に対して

エビリファイは鎮静作用が弱め
幻覚や妄想で混乱し興奮が強い場合には、鎮静作用の強い薬との併用がよい

陽性症状だけでなく、意欲減退や感情鈍麻などの陰性症状、認知機能障害にも効果が期待できるため、慢性期にも良い。

急性期の陽性症状が落ち着いたあとに、エビリファイに変更など。

うつ病・双極性障害に対して

低用量:うつ病・うつ状態
高用量:躁状態

エビリファイは低用量ではドパミン↑、高用量では↓

メリット

1 陰性症状や認知機能の改善が期待
2 副作用が少ない
3 気分安定作用
4 1日1回服用でok
5 剤型が豊富
6 ジェネリックあり

デメリット

1 鎮静作用が弱い
2 陽性症状の悪化
3 アカシジア


ドパミンにしっかり作用するが、部分作動薬として働く
ドパミンとセロトニン以外への作用が少ない

ちょっと詳しく

ドパミンに対して D2受容体部分作動薬 partial agonist

エビリファイはドパミン受容体に強力に作用し、他の薬を併用しても押しのけてくっつく。だがフルには作用せず、ほどほどに
その割合を固有活性といい、エビリファイの固有活性は17%
ドパミンを適切に調節

セロトニンに対して

セロトニン1A受容体:部分作動 partial agonist → 抗うつ作用
セロトニン2A受容体:遮断 antagonist  → 陰性症状改善や副作用軽減
セロトニン2C受容体:遮断 antagonist → 食欲↑

ドパミンをブロックしすぎない、副作用が少なめ、な一方、鎮静作用の弱さから興奮を鎮める効果が弱い

使い方

高用量:統合失調症、躁状態
低用量:うつ状態、易刺激性

副作用が比較的少なく、高用量からも使いやすい
統合失調症や躁状態ではしっかり高用量を使って症状を落ち着けて、その後漸減

構造

薬物動態

3.6時間で血中濃度がピーク
61時間で半減 → 1日1回でok
安定まで1-2週

剤型

OD錠やLAIがあって便利

妊娠、授乳

妊婦への使用の報告

先天異常のリスク → 増加なし

心疾患リスク → 増加なし

一般的な抗精神病薬リスクは妊娠中の薬クエチアピンも参考に。
統合失調症で飲んでいる場合はこっちも参考に。

結論

エビリファイは面白いクスリ
妊娠中、授乳期も服用ok
エビリファイを維持で飲んでいる場合、ご自身の判断で休薬はだめ