なんくるないさ

医者の不養生

medical

患者に摂生を勧める医者が、自分では意外に不摂生なことをしている、という意味から、他人には立派なことを教えながら実行の伴わないことのたとえ (出典精選版日本国語大辞典)
患者に養生するように説く医師が、私生活では不摂生なことをしている。また、他人に立派なことを教えながら、自分では実行しないことのたとえ(ことわざを知る辞典)

出典は異なりますが、ほぼ同じ内容ですね。

多くの医師が自虐ネタのように話すのではないでしょうか。
自虐にでもしないとやっていられない、というのが本音でしょうか。

実際医者は不健康な生活を送っています。

Screenshot

非常にNの少ないデータですが、このグラフをみると、愕然とするほど医師の寿命が一般集団に対して短い傾向がみてとれます。

60代で亡くなりすぎじゃないですか?
もちろん集団、診療科、勤務医か開業医か、その他多くの要素が関連するため一概には言えません。

ただ私自身感じるのは、急性期病院の第一線で働かれているような医師は、寿命が短い傾向があるのではないかと感じます。

感じるだけかよ!データを出せ、と思いますよね。
でも、エビデンスのありそうな、またNも十分で合致するようなデータは見つけられませんでした。

職業別のデータで医師が含まれると思われる専門職の寿命はそれほど短くない、というデータがありますが、それだとその他多くの専門職が含まれますし、そもそも医師の中で状況がものすごく異なります。

急性期病院の外科系やメジャー科といわれるところは、労働時間、責任、ストレス、生活習慣などの観点から、早死にされる方が多い印象です。
印象でいうなと思いますが、そのようなデータがありません。

不都合な結果がでては奴隷労働をさせられなくなるため、そのような調査をしていない、とすら勘繰りたくなります。

私個人が改善できてよかった点をいくつか紹介します。

1 単純に仕事量が多い

2 余裕のない医療者

詳細は想像できると思いますので割愛します。

3 睡眠

あたりまえのことですが、十分な睡眠、休養はとても大切です。
当直や夜勤、深夜の緊急などで、十分にとれるはずがありません。
やってもらうということは、その人の寿命を奪っているという認識で、報酬や翌日の勤務形態を決める必要。接触した時間のみ働いた、は意味がわかりません。

4 飲酒

私はお酒が大好きでした。なんでも飲みますが、飲んでいた最後らへんはハイボールとウイスキーばかり飲んでいました。最も飲んでいた時期は、当直でなければ750mlのウイスキーの瓶を1本、ビールやハイボールを飲んだあとにあけていました。

これ、ただのコーピングでした。

コーピングはストレス反応に対応するための行動、のことです。

自分自身、ストレスの自覚はありますし、飲まなきゃやっていられないと感じていた点では自覚があったというとらえ方ができるかもしれませんが、今思うのは、おそらく自身が思っているよりはるかに悪い状態のストレスだったのだと、今は思います。

医療者に限らず、お酒が好きな人は多いと思います。

実際、お酒は美味しく、飲んでいて楽しかったです。

ただ今思うのは

お酒はただの薬物です。です。いずれ依存症になります。

 

少し脱線してきたので、言いたいこと。

急性期病院で勤務医をしていると寿命は短くなると思います。
本来システムを変える必要がありますが、正義感で奴隷労働を頑張る医師により、なんとか機能しているように見えているだけです。
国や偉い人は、正義感で奴隷労働を頑張る医師を、駒としか思っていません。「あいつはだめになったか、そうか。」みたいな。

自分が思う健康法を実践することが、医師全体、そして日本の医療システムが存続するためには必要なことじゃないかと感じます。

そのためには多くの医師がご自身で自らの働き方を見直す必要があるのではないでしょうか。

医者の不養生、という日本らしい言葉が、過去のものになることを切に願います。

P.S. 筋トレが最高です。