周産期の今後。
いち産婦人科医の思うこと。下世話な話から、危惧まで。
産婦人科は、産科は、分娩に立ち会う、すごくやりがいのある仕事です。
一般の救急で寝たきり高齢者の肺炎など夜間に対応することなどと比べると、そもそも産婦人科は女性も受診したくないはずので困っているから来ており、その点だけでも内科や小児科より、その時点で困っていることに対応できるという点で、やりがいを感じます。
分娩については何より幸せの極みであり、夜間の分娩、緊急帝切、呼び出しなども、他科の呼び出しと比べると全然苦にならないように感じるし、実際、帝王切開自体ほとんどはすぐ終わる手術であり、だらだら全身管理で朝まで、など少なく、その辺は良いです。
私自身が、男性産婦人科医になるにあたって気になっていた点としては、①男性の産婦人科ってどうなの ②訴訟など心配 が大きな2点でした。
①について。変態、などなど、色々思われる可能性はあると思います。個人的な印象としては、女性が好き、というのはある程度あると思います。ただ、実際男性産婦人科医は、ある程度遊んだ人もいると思いますが、私の知る範囲は子沢山の愛妻家が多い印象です。変態も僅かにいます。患者、看護師全て女性で、さまざまな女性と関わるからか、逆に他科と比べて医療者内で遊んでいる人は少ない印象です。産婦人科で働いている分には男性であることは研修の初めは少し気になりましたが、ある程度経験を積むと個人的には全く気にならなくなりました。患者さんは気になるかもしれませんが、診察台では所見を取るのが大事で、長く産婦人科医をしていますが、一度もたったりなどないです。全く気にしてません。
②について。これは、真摯に対応すればどうにかなる、と個人的には思っていましたが、、、、結果が全てです。産科も婦人科も亡くなることがあります。産科は突然きます。普通に死にます。危機的出血、蘇生後脳症、羊水塞栓など、、。偉い先生で癒着胎盤も保存的に対応できるとおっしゃる先生もいますが、止まらないものは大学、総合周産期で対応しても無理なことはあります。そういう事例にあたると遺族は訴訟、主治医はメンタルで退く、が通常かと思います。
産科の危惧について、色々あると思いますが、とりあえず二つ、①働き方改革、②周産期センターとその他産科医の分断(言い過ぎかも) ③分娩数
①働き方改革、これはやばいです。きっと勤務医の労働環境を良くすることが目的なんでしょうが、そもそもブラックな大学病院勤務医を潰ししかない制度。普通に夜間ストレスフルで休めない日もある、そもそも宿直なわけがないのに、宿日直許可という謎の許可を得て外勤させる制度。子育て政策などもそうですが、なんでここまで改悪するんだろう、というそれだけ。大学で働く人は減る一方で、逆に専門医も不要になるんじゃないでしょうか。メジャー科の破綻で医療崩壊は確実。
②周産期センターはさまざまな異常を見慣れており、非常に勉強になる恵まれた環境です。もちろんハイリスクやストレスフルな症例が多く、頑張っているのはそうなんですが、あまりにも地域や開業医をバカにし過ぎている印象です。答えをいっぱいみて勉強させてもらっているのだから、バカにするのでなく還元することが大切なのは当たり前だと思いますが、。新生児科、特に公立病院で流動性のない所があまりにひどいです。頑張っているのはわかりますが、人として異常な人がいます。一緒に周産期を改善しようという以前に、常に過労でキレているようなDrは、少し休むべきだと思いますが、まあ休まず働いて、お疲れ様です。ただこの状況は持続不可能で、誰も得しないと思います。
③体感として、分娩数減りすぎです。合併症妊娠多いです。高齢妊娠多いです。社会システムの大規模な改善が急務。所得減って税金増えて物価上がって日本の産業が伸びない以上は、とりあえずお産したらお金いっぱい配るなり、異次元の優遇が必要だと思います。ハンガリーの真似して4人産んだら生涯所得税無料とか、一人産むごとに1000万配るとか、キートルーダをばんばん保険適応にするくらいなら余裕で出来そうですが。。革命起こすしかないんでしょうか。
以上、酔っ払いの妄想でした。
もしこれをみた医療者がいれば、もう少し相手に普通に対応することを心がけて頂ければ幸いです。
あっ、題名の周産期の今後ですが、数千症例の分娩を扱う周産期センターに数十人の産科医、その他新生児科医もそうですが産科麻酔医も確保の上、で開業医での分娩は控えていく方が良いのではないでしょうか。。