なんくるないさ

向精神薬について

medical

向精神薬について、ざっくり勉強したことを書いてみます。

まず、精神疾患は症候群であり、薬物療法は対症療法

効果発現は神経伝達物質の調整やBDNF(脳由来神経栄養因子)の増加など、タイムラグあり

十分量を充分期間処方し2週間で効果判定

切り替え時は、前の薬は減らさずに上乗せ漸減が基本

そして
不安 → 抑うつ → 躁(イライラ) → 精神病症状 の順で症状が強く、薬の効果も強い

不安   → 抗不安薬、抗うつ薬(SSRI)
抑うつ  → 抗うつ薬、気分安定薬、抗精神病薬
躁(イライラ)  → 気分安定薬、抗精神病薬
精神病症状   → 抗精神病薬

向精神薬はざっくり以下のように分類され、それぞれについて書いてみます。
①抗精神病薬 ②抗うつ薬 ③気分安定薬 ④抗不安薬、睡眠薬 ⑤その他

Ⅰ 抗精神病薬 
→ 辺縁系にいくドパミンをブロック

・ドパミンD2受容体をブロックすることで抗精神病作用
・感情調節作用(抗躁、抗うつ)
・抗せん妄作用
・鎮静作用 → 頓服で眠剤として、など。
副作用として錐体外路症状(EPS)、高PRL、DM、HPL、体重増加、イレウス、排尿障害、横紋筋融解症、悪性症候群、QT延長症候群、突然死、口渇、水中毒・・
定型>非定型

〇定型抗精神病薬  古いやつ

① ハロペリドール(セレネース) D2遮断強い、抗精神病作用強い!注射剤もあってICUとかでせん妄に対して使ったり。EPS強くて使いにくい→リスパダール服用
② ゾテピン(ロドピン)抗躁作用強い≒SDA 痙攣の閾値↓ おこりんぼさんに
③ クロルプロマジン(コントミン)弱めのOLZ、古くて弱い
④ レボトミン(ヒルナミン) 鎮静強い→眠剤として
⑤ スルピリド(ドグマチール) 胃潰瘍<150㎎ うつ<300㎎ at risk mental state
⑥ チアプリド(グラマリール) 脳梗塞後の攻撃性に → エビリファイの方がよいか

〇SDA → EPS、高PRL

① リスペリドン(リスパダール) 抗精神病作用強い EPS 液剤は即効性、屯用 LAI
② パリペリドン(インヴェガ、ゼプリオン)RISの代謝物でEPS↓ LAI
③ ペロスピロン(ルーラン) 抗不安薬のタンドスピロンから誘導、弱くて副作用少ない。弱くて効かないけどほかのがEPSで使えないときなんかに
④ ルラシドン(ラツーダ)タンドスピロンから誘導、双極性障害のうつ状態、複雑性PTSD(2型はトラウマが関係?)±気分安定

〇DPA D2partial agonist アカシジア 副作用少ない

① アリピプラゾール(エビリファイ) 使いやすい 双極性障害、うつ病補助、ASDの癇癪。副作用はアカシジアくらい?
② ブレクスピラゾール(レキサルティ) アカシジア↓ D2 block↑>ARI

〇MARTA D2、セロトニン、ヒスタミン、コリン → DM HPL BW↑、鎮静
Mild だけどいろいろ副作用

① オランザピン(ジプレキサ)双極性障害のうつ状態、BPSD+眠剤的に
② クエチアピン(セロクエル)双極性障害のうつ、うつ病、効果弱い、鎮静強い、EPS少
→ エビリファイに眠気追加でクエチアピンかぶせたり
③ クロザピン(クロザリル)難治例、骨髄抑制 使用できない施設も

Ⅱ 抗うつ薬 activation syndromeに注意
〇SSRI セロトニン症候群、離脱症候群

① パロキセチン(パキシル) シャープに効くが離脱多い。漸増漸減
② エスシタロプラム(レクサプロ) まずまず 10mg(維持量)から使用可 QT延長
③ セルトラリン(ジェイゾロフト) マイルド ちょっといれとこうかな
④ フルボキサミン(ルボックス) 鎮静あり メラトニン↑
⑤ トラゾドン(レスリン) ≒SSRI  効果弱い 鎮静あり 眠剤として 12.5mg-

〇SNRI 最強!?寛解率↑!?

① ベランファキシン(イフェクサーSR) ~37.5mg≒SSRI
② デュロキセチン(サインバルタ) 疼痛にも、鎮静なし。

〇NaSSA NA>セロトニン D2↑

① ミルタザピン(リフレックス) 効果強い、鎮静強い→不眠強いうつとか、食欲↑

〇S-RIM  複数の5HT,NA,DA,Ach,H1

① ボルチオキセチン(トリンテリックス)マイルド、認知機能改善→高齢のうつとか、嘔気は少ない(SSRIは多い)

〇三環系抗うつ薬 ≒SNRI EPS、抗コリン作用の排尿障害、大量服薬で不整脈

① アモキサピン(アモキサン) DAブロック→精神病症状伴ううつに
② クロミプラミン(アナフラニール) 注射薬あり重度のうつにも。SSRI like、過敏性腸症候群

〇四環系抗うつ薬  NA 三環系より副作用少ない

① ミアンセリン(テトラミド) 抗コリン作用あり  → NaSSA
② セチプチリン(テシプール) 抗コリン作用少ない うつっぽい不眠とか

Ⅲ 抗不安薬 

<短時間型>
①	エチゾラム(デパス) 良く効く、依存強い。筋弛緩強く、高齢者は転倒骨折しそう
②	アルプラゾラム(コンスタン、ソラナックス)良く効く、依存強い。パニック障害に
③	ロラゼパム(ワイパックス) 肝代謝なく、LCとか肝障害にもok 
④	クロチアゾラム(リーゼ) 弱い、高齢者に
⑤	ブロマゼパム(レキソタン) 2,5㎎
⑥	セディール(タンドスピロン)非BZ、依存なし
<中、長時間型>
①	ジアゼパム(ホリゾン、セルシン)アルコール離脱予防、てんかん、依存性少ない(BZPから切り替え)
②	クロナゼパム(ランドセン)てんかん、アカシジア

Ⅳ 睡眠薬

<超短時間型>(入眠障害)
①	トリアゾラム(ハルシオン) 依存強い 使わなくていいか
②	ゾピクロン(アモバン) 苦味
③	エスゾピクロン(ルネスタ)苦味
④	ゾルピデム(マイスリー) 依存強い △統合失調症
<短時間型>(入眠障害+中途覚醒)
①	ブロチゾラム(レンドルミン) 使いやすいか
②	リルマザホン(リスミー) 弱いから高齢者にも
<中間型、長時間型>(中途覚醒、早朝覚醒)
①	フルニトラゼパム(サイレース) party drug 、30日まで
<メラトニン受容体作動薬> first 
①	ラメルテオン(ロゼレム) マイルド、小児ok 
②	メラトニン(メラトビル)小児ok
<オレキシン受容体拮抗薬> first 
①	レンボレキサント(デエビゴ)使いやすい 悪夢少し
②	スボレキサント(ベルソムラ) 悪夢

眠剤はとりあえずデエビゴかロゼレム、併用+α

Ⅴ 気分案製薬 

リチウム、中毒に注意、甲状腺機能低下、ごく少量処方2mg
バルプロ 肝機能障害 LTG併用注意
ラモトリギン TENなど皮膚症状注意 少量開始で2w↑ VPA併用で減量
カルバマゼピン 抗躁作用 暴れん坊に 皮膚症状注意

Ⅵ 認知症薬

進行を遅らせる、BPSD↓が目的。
AchE阻害薬はアクセル、元気がない、食欲不振、物忘れ
NMDA受容体拮抗はブレーキ、神経保護 →BPSDに
AchE阻害薬

① ドネペジル(アリセプト)DLBの幻覚
② リバスチグミン(**パッチ)DLBに、経皮だからパッチはる前にヒルドイドで保湿

NMDA受容体拮抗→メマンチン(メマリー) BPSDにとりあえず 意識消失注意 夕方

Ⅶ 漢方

抑肝散→ BPSD
神田橋→ PTSD

Ⅷ そのほか
抗コリン

ビペリデン(アキネトン) 抗コリン作用強く EPS↓
プロメタジン(ピレチア、ヒベルナ)H1遮断 鎮静→ 不安時屯用

後半、完全にだれてきてますが、ざっくり、向精神薬について勉強したことを書いてみました。
実際に使った感覚はわからないので、今後、どんどんup dateしていきたいです。