周産期メンタルヘルスの重要性
WHOより 妊産婦死亡率ホットマップ
ユニセフら国連機関からの報告書
妊娠・出産中の女性が 2分に1人 死亡
この報告書は、世界のほぼすべての地域で妊産婦の死亡が増加、または横ばいの傾向にあるという、女性の健康における驚くべき懸念を明らかにしています。
妊産婦死亡の多くは、引き続き世界の最貧地域と紛争の影響を受けた国々にほぼ集中しています。
2020年には、全妊産婦死亡の約70%がサハラ以南のアフリカで起きています。
深刻な人道危機に直面している9カ国では、妊産婦死亡率が世界平均の2倍以上
(出生10万人当たりの妊産婦死亡数が551人、世界平均は223人)
一方日本は
出生10万人当たりの妊産婦死亡が4人
アメリカ(21人)や中国(23人)と比べても非常に少なく、周産期医療がより機能していることがわかります。
昔からそうなのか?
以下の表は日本の妊産婦死亡の推移になります(人口統計資料集2020)。
小さくて見づらくて恐縮ですが、
100年前の日本は今のサハラ以南のアフリカと同程度の妊産婦死亡率です
そして、
この100年でその数はおよそ100分の1になっています
周産期医療のレベルアップに加え、医療者のがんばりによるものです。
100分の1ってすごくないですか!?
逆に考えると、医療がなければ、妊娠出産は命懸け、ということがわかりやすいデータだと思います。
日本の周産期医療のレベルは非常に高い
産科出血や羊水塞栓などの一部の非常に困難な症例を除いては、救命できるようになっています。
しかし近年驚くようなデータが発表されました。
産科合併症で亡くなる2倍以上の方が、自殺で亡くなっているのです。
そしてそれは、妊娠初期と産後に、特に多いようです。
自殺された方の中に精神疾患合併の方が多く、おそらく 無 となっている方の中にもうつ病、産後うつの方が含まれることが想像されます。
そして、これはもう悲しいを通り過ぎますが、子殺しに至った例も少なくありません。
医療者のがんばりで日本の周産期医療は非常に世界的にも優れた医療を提供しています。
しかし、産科合併症以上に、それも倍以上の方が、自殺で亡くなっているのです。
周産期メンタルヘルス、特に産後うつに対する対応は非常に重要な分野なのは間違いありません。
産後うつを中心とした、周産期メンタルヘルスについて、当事者、または支援者に有用と思われる情報をご紹介していきます。